気がつけば、私もそこそこ年を重ね、お洒落で美味しいレストランやカフェなどのお店にも詳しくなってきた。

綺麗に盛られた映える料理、世界各国の様々な料理・・ひとたびネットにアクセスすれば幾らでも情報が出てくる時代。

女子ですもの。

近所のカフェランチ事情は網羅しているつもりだし、女子会、デート、一人ご飯など一通り楽しんできた。

お洒落バルでスパークリングワイン片手に小海老のアヒージョ、キャッロットラペ、ジェノベーゼのパスタ。

ええ。もちろん散々食べてきました。

しかし、ここにきて、心ときめく存在が現れた。

「大衆食堂」である。

「大衆」つまり、みんなの。

「食堂」つまり、ご飯を食べる場所。

名前にまで無駄がない。

あぁ、何て素敵な響きだろう・・。

坂勘から徒歩圏内に「食堂S.S」という素晴らしい大衆食堂がある。

(というか、歩いて行ける飲食店は他にない。)

国道沿いにあるため、長距離トラック運転手やお出かけ途中の家族連れなどでいつも賑わっている塩尻では有名な食堂のようだ。

ちなみに、私の中の「大衆食堂」の定義は以下である。

・メニューが豊富なこと(季節のメニューがあると嬉しい)

・価格が安いこと(とても大事!)

・活気があること(声の大きいおばちゃんが給仕をしているとよい)

・椅子はパイプ椅子、お茶はセルフサービスであること(畳の席もあると尚よい)

食堂S.Sは、全てを網羅している食堂だ。

特にメニューの多さには目を見張るものがある。

見よ。圧巻のメニュー!

いつもにっこりお腹いっぱいの定食たち。

定番の麺類(ラーメン、そば、うどん、やきそば)

安定のカレーライス。

こんなにあったら、選べません!

食のデパートと看板に掲げるだけのことはある。

そして、価格もリーズナボー。

とり唐揚げ定食 680円

あじフライ定食 670円

中華そば 460円

うどん 350円

値段が高めのものでも、煮カツ定食(980円)えびフライ定食(960円)などなど千円出せばお釣りがくる何て素敵な食堂S.S。

とり唐揚げ定食 680円 

しかも、豊富な定食メニューは全て単品に変更できる。つまり、ご飯とみそ汁抜きでビールのつまみにできるという事だ。そして、おつまみメニューも多種類ある。枝豆200円、きゅうり漬け190円、冷ややっこ160円等など。

生ビール(中)は、550円と普通価格だが、あなどるなかれ、缶ビール310円、缶チュウハイ350円も用意してある。

巷には、「せんべろ」なんて言葉があるが、食堂SSでは「せんべろべろ」が可能です。(※「せんべろ」とは呑み助用語で、千円で安く楽しく酔えるお店のこと。)

単品メニューといえば、以前、坂勘メンバーのおじさま(J氏)と若い男の子(S君・イケメン)三人で食堂SSに行った時の事。

メニューを見ながら、S君が不思議そうに言った。

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S君:「ポパイ200円」ってなんですかねー。

 私:えっ、ほうれん草の事でしょ?

J氏:ほうれん草ですね。お浸しかな。

S君:そうなんですか?!

 私:ポパイだよ。知らない?ほうれん草食べて元気になるアメリカのアニメ。

S君:・・いえ、ちょっとわからないですね。

 私:ポパイとオリーブ見たことない?子どもの頃、母親にほうれん草食べた  ら、ポパイみたいに元気になるんだよって言われなかった?

J氏:あはは。(同意の意味)

S君:いや、言われなかったすね。

 私:・・・・。

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食堂S.Sさん!20代男子には「ポパイ200円」は、伝わらないみたいですよ。

大衆食堂で感じるジェネレーションギャップ・・。

(ちなみに、「ポパイ」をウィキペギアで調べたら、『ポパイのほうれん草パワーは、ほうれん草など野菜を食べない小学生に野菜が必要な事を説く際、多くの母親たちが引き合いに出したエピソードがある』と書いてあった。言われたことがある世代の方は、こそっと私に教えてください。)

カニクリコロ定食 540円 名物そのままマヨネーズ

なにわともわれ、休日の昼間、坂勘にいたら、かなりの確率で私はみんなに問うだろう。

「ねぇ、お昼ご飯にS.S行かない?」

嬉し楽しい大衆食堂。

私は、そう発した瞬間から頭の中で注文するメニューを考え始め、それでもお店について実際にメニュー表を見てからまた悩むことだろう。

ご飯の量が多いから、一緒に来た男の子たちにおすそ分けするかもしれない。

友人たちとおかずを取り換えっこするかもしれない。

そして、大満足でお勘定を払い、お腹をさすりながらお店を後にするだろう。

100%笑顔で。

それはきっと、幸せな週末に違いない。